受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

香蘭女学校中等科

2024年6月6日(木)

キリスト教に基づく人間教育の下、社会に有為な女性として生きる力を養う

 「祈りのうちに自らを育む」「薫りをはなて とりどりに」「『いのち』に寄り添い、慈しむ」を教育理念に掲げる香蘭女学校中等科・高等科は、1888年に英国国教会の宣教師エドワード・ビカステス主教によって創設されたミッションスクールです。東急大井町線・池上線の「旗の台」駅から徒歩5分の閑静な住宅街にあるキャンパスには、小川や池、緑豊かな築山があり、四季折々の花が見られます。

 この日の説明会に登壇した教頭の船越日出映先生は、「本校では聖書に基づく人間教育を行い、他者への気配り、共に生きていく力といった『目に見えないもの』『数値化できない力』を大切にしています。たとえば、優秀なリーダーは優秀なフォロワーのなかで育ちます。生徒たちには他者の役に立つことや、他者と力を合わせることに喜びを感じる女性になってほしいと願っています」と語りました。また、こうした力を育む伝統的な取り組みとして、同校には「BIG SISTER制度」があります。これは、高3生のなかから選ばれた生徒が、中1生の学校生活をサポートする制度です。上級生へのあこがれからフォロワーシップを養った中1生は、5年後、自分自身が下級生に支えられながらリーダーシップを発揮していくそうです。

 続いて、入試広報室長の桜井千枝先生が同校の教育内容について、「Experience×Education(体験×教養)」「Diversity×Empathy(多様性×共感力)」「Life Design×Talent(ライフデザイン×賜物)」の三つに分けて紹介しました。

 まず、「Experience×Education」については、定評のある英語教育にスポットを当てて説明されました。英語は週6回の授業を通じて4技能をバランス良く伸ばす方針です。週3回の「英語Full」では検定教科書や文法書で基礎を固めます。週2回の「英語Half」は、クラスを2分割して少人数で行うもので、ネイティブ教員が単独で行い、またはネイティブ教員と日本人教員のチームティーチングで展開します。週1回の「英語総合」では、日本人教員が多読やスピーキングを指導します。

 力を注ぐ国際交流・語学研修については、短・中・長期の三つから期間を選択できるカナダのプリンスエドワード島での留学プログラムが紹介されました。このほか、夏休み期間に実施される2週間の英国語学研修、立教英国学院への留学なども昨年から再開されました。

 英語・数学のフォロー体制についても紹介がありました。高3生が中等科の課題をサポートする「中等科学習会」の実施、長期休暇中や放課後の補習の開講、質問が可能な自習室の設置などで学習を支援していることが伝えられました。

 「Diversity×Empathy」では、毎日の礼拝、季節の宗教行事、ヒルダ祭(文化祭)、運動会、バザーといった学校行事を挙げました。6年間の祈りの日々を通して自分のミッションに気づくこと、学校行事を通して異なる価値観を持つ他者と歩む協働性や、まだ見ぬ隣人のために心を寄せる共感性を育むことが重視されています。

 そして、神様から授かった「賜物」を生かす道を探究するのが「Life Design×Talent」です。中2からは「SEED(Self-Enrichment EDucation)」という探究プログラムが始まります。これは、SDGsのコンテストやヒルダ祭での発表を通して、自分にできることは何かを考え、発信していくものです。高校では課題研究や論文作成を行い、進路選択に結びつけていきます。

 同校からは、同じ「日本聖公会」に属する立教大学や聖路加国際大学に推薦で入学できる制度があります。このうち立教大学への推薦枠は昨年まで97名でしたが、今年からは同校の1学年の学則定員の100%に当たる160名に増員されました。出願資格は「高等科3年間の評定平均値が3.5以上」「CEFRのB1レベル(英検®2級相当)の英語力」「高等科3年間の英語の評定3.5以上」となっています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 クラブは文化部22、運動部8があり、中高合同で活動しています。中学生の加入率はほぼ100%です

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