受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

慶應義塾湘南藤沢中等部

2024年6月14日(金)

次世代のリーダーとなる
「バランスの取れた教養人」を育てる

 慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部は、「社会的責任を自覚し、知性、感性、体力にバランスの取れた教養人の育成」を目的に開校された慶應義塾で唯一の中高一貫校です。高等部の卒業生は原則として、ほぼ全員が推薦により慶應義塾大学の全10学部のいずれかに進学します。

 SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会は、サピックス教育事業本部本部長の広野雅明先生による2024年度の入試分析からスタートしました。合格者の偏差値分布を男女別に示しながら、「男子よりも女子のほうが厳しい戦いであることがわかります。一次試験の合否は4科の総合得点で決まるので、まずは4教科バランスよく学習することが重要です」とアドバイスしました。

 次に、部長の尾上義和先生が登壇すると、同校のめざす教育について「記憶力に頼る、重箱の隅をつつくような勉強ではなく、本質を理解するための高い思考力の養成を重視しています」と述べました。続けて、「次世代の先導者に必要なのは、権威的リーダーシップよりも、自然と周りに仲間が集まってくるような人間的魅力ではないでしょうか」と問い掛け、その求心力になる要素として「共感力」「分析力」「創造力」「行動力」の四つを挙げました。つまり、目の前で困っている人がいたら、“共感”を持って手を差し伸べる、そして、困っている原因は何なのかを“分析”したうえで、それを解決する方法を“創造”し、実際に“行動”に移す、そんな総合力を生徒には身につけてほしいというわけです。

統計学やデータサイエンスに強み
多様性に富んだ環境で学ぶ6年間

 福澤諭吉が創設した慶應義塾が1990年に湘南藤沢キャンパスを開設したのは、幕末に勝るとも劣らない社会の急速な変化に対応するためでした。中等部・高等部が1992年に設立されたのも、それらにより早く慣れ親しんだ中高生を育てたいという思いからです。

 そんな同校の特徴として挙げられたのは、「社会の情報化と国際化に対応できる生徒の育成に力を入れていること」です。情報化に対応するために、創立時から統計学の授業を重視し、希望学部が文系か理系かにかかわらず、全員が履修することになっています。尾上先生は「日常的に訓練しているからでしょうか、データサイエンスの外部コンテストでは、大学生を抑えて本校の生徒が入賞することも珍しくありません」と胸を張ります。

 一方、国際化への対応で特筆すべきは、多様性に富んだ環境です。帰国生入試の条件を満たさなかったために一般入試で入学した生徒も含めると、海外生活経験者は20~25%にのぼるといいます。加えて、7か国の提携12校に短期留学できる制度があるなど、国際交流も活発です。そのほかに、ラグビースクールタイランドなどの3校に1年間留学できる制度もあるとのことです。

 中高一貫校であるため、中等部卒業後は全員が高等部に進学し、ほかの慶應義塾の高校は選択できません。また、大学への推薦枠は、ほかの塾内高校と同じ比率で与えられていますが、他校に比べると例年、理工学部、総合政策学部、環境情報学部の志望者が多いそうです。

 最後に尾上先生は、期待する生徒像として「好奇心・向学心がある」「困難から逃げない」「がんばり続けることができる」「でき難きことを好む精神を持っている」人を挙げると、「皆さんの挑戦をお待ちしています。11月9日(土)・10日(日)に開催される文化祭に、ぜひお越しください」と説明会を締めくくりました。

イメージ写真 小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台」駅からバスで15分、JR東海道線「辻堂」駅からバスで21分。広大なキャンパスで、生徒たちは伸び伸びと明るく楽しく学校生活を送っています

www.sfc-js.keio.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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