受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

立教女学院中学校

2024年6月19日(水)

キリスト教精神に基づく教育で、自らの力を他者のために用いる人へと成長

 明治になって間もない1877年、アメリカ聖公会の宣教師C.M.ウィリアムズが女性のための教育機関として設立したのが、立教女学院の前身となる立教女学校です。その後、1923年の関東大震災によって築地にあった校舎が全壊し、翌1924年に久我山の現在地に移転しました。今年はそれから100年という節目の年です。

 説明会であいさつに立った校長の浅香美音子先生は、同校のめざす教育について「自らの力を、他者のため、隣人のため、最も弱い立場にいる人のために、喜んで用いる人を育てたいと考えています」と述べました。そして、「わたしたち教員にとって、生徒たちは神様から託された大切な存在です。その生徒たちに、本校での学びのなかで新しい驚きや内から湧き上がる疑問に出合い、知りたいという探究心、考える楽しさ、発見する喜びを知ってほしいのです」と締めくくりました。

 続いて、教頭の髙嶺京子先生から教育内容について説明がありました。同校では「キリスト教教育」「自治活動」「学習」の三つを柱とする教育を実践しています。一つ目のキリスト教教育としては、毎朝の礼拝、土曜集会、ボランティア活動、宿泊行事などを実施しています。土曜集会では、イスラム教のモスクや仏教の寺院を訪問して、キリスト教以外の宗教について学んだり、国際的に活躍する人の講演を聴いたりして多様な価値観に触れ、広い視野で考える力を身につけます。国際理解教育も、語学力を高めるためだけに行うという方針ではありません。「平和をつくり出し、発信する者」になれるよう、世界と共生する素養を培うキリスト教教育の一環として実践しています。海外の姉妹校との交換留学や、米国の大学生などを招いて少人数でディスカッションをするGlobal Studies Program、ユネスコスクール加盟校としての活動などによって、生徒たちは広い世界を意識しながら進路を考えるようになるそうです。

 二つ目の自治活動については、生徒たちが各種行事を主体的に企画・運営する様子が紹介されました。髙嶺先生は「学校説明会も自分たちの手で実施したいということで、高校生徒会が実施する説明会もあります。そこでは、開会のお祈りから、あいさつ、入試科目の説明まで、すべて在校生が担当します」と笑顔で語りました。

 三つ目の学習については、主体的に学ぶ姿勢を養い、さまざまな分野への興味・関心を引き出す方針です。その取り組みの一つとして、この日、紹介されたのが、2000年度から続く「ARE学習」です。これは、「Ask(テーマ・課題をみずから求める)」「Research(テーマに基づき徹底的に調べる)」「Express(プロセスと結果を言語化して発表する)」を実践するものです。中1では地域調査と読書教育、中2では修学旅行事前学習、中3では平和と人権というテーマで探究を積み重ね、現代の問題について考えていきます。高1・2では論文作成について学びます。希望者は各自が決めたテーマでさらに研究を続け、その成果を高3で卒業論文にまとめます。

 進路指導では、「あなたはどう生きたいですか」「その生き方をするにはどんな学びが必要ですか」と問い掛けながら、一人ひとりが「生き方」をベースに進路を考えるよう促しています。同校には立教大学への推薦入学制度があり、今春は、受け入れ総枠数の203名に対し、123名が進学しました。医歯薬系学部や芸術系学部など立教大学にない学部・学科を志し、他大学に進学する卒業生も少なくありません。

 2025年度からは入試の面接が廃止されます。また、帰国生入試は12月には実施せず、2月1日に一般生入試と同時に行います。そこでは作文と面接は実施されません。その出願資格は「帰国後2年以内」から「1年以内」に変更になります。なお、いずれの入試も、合格者については2月中旬に新入生招集日を設けるとのことです。

イメージ写真 1930年代に建てられたスパニッシュコロニアル様式の高校校舎は、天井が高く、内部はゆったりとした空間となっています

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