受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城中学校

2024年6月15日(土)

文武両道主義の下、高い人間力とやり抜く力を備えた生徒を育成

 成城中学校・高等学校は、1885年に「文武講習館」をとして設立され、翌年「成城学校」と改称されました。現在は中高完全一貫の男子進学校として文武両道主義の下、高い人間力とやり抜く力を備えた生徒の育成をめざしています。

 この日の説明会で、校長の岩本正先生は「男子校の良さ」「伝統校の良さ」「中高完全一貫校」という三つのキーワードに沿って、学校の魅力を話しました。

 まず、「男子校の良さ」として、岩本先生は「生徒が『学校が楽しい』と思える場所です」と前置きし、全校生徒を対象に例年実施している「学校生活に関するアンケート」の結果を紹介しました。それによると、全生徒の90%、中1生に絞ると、実に95%が「楽しい」と回答したとのことです。岩本先生は「男子だけの環境は、自分の内面を偽る必要がありません。お互いの個性を受け入れ合う相手がいるという心地良さが、学校生活の楽しさにつながっていると思います」と話します。

 次に、「伝統校の良さ」の一例として挙げたのが、1925年から続く伝統行事「臨海学校」です。これは、中1の夏に3泊4日の日程で、千葉県の南房総市で実施しているものです。そこでは泳力に応じて、上級者は遠泳、中級者は遠泳に準ずる距離を泳ぎ、初級者は細かく泳力別に班を分けて、海に親しむことから始めます。各班の十数名につき、3名の教員と、選抜された高2の生徒3名が補助役を務めます。「3泊4日の臨海学校を通じて、中1生は先輩に影響を受け、『将来はこういう先輩になりたい』というロールモデルを見つけることができるでしょう。一方、高2生は中1を指導するなかでリーダーとしての責任を模索します」と、その意義を語りました。

 また、2021年に「中高完全一貫校」となった同校では、中高6年間を2年ずつ「基礎学力養成期」(中1・2)、「進路決定期」(中3・高1)、「実力完成期」(高2・3)の3期に分け、男子の発達段階に合わせたカリキュラムの下、学校設定科目などの改革を進めています。探究的な活動としては、統計やプログラミングを学ぶ中1の「数学統計」で、理科・社会の分野のデータを分析する教科横断型授業を行っています。そこでは、1人が1台のタブレットパソコンを操作しながら、Excelでの統計処理やネットリテラシー、タイピング技術などを学びます。

 最後に、岩本先生は「さまざまな体験と基礎的な学習が融合し、充実した6年間へとつながっていきます。ぜひ、成城中学校でいろんなことを体験して、楽しみながら学んでほしいと願っています」と結びました。

 学校生活と教育内容については、入試広報室の宮本八太郎先生が説明しました。中1・2では、特に授業を中心とした学習習慣の定着をめざします。日々の小テストで学習到達度をチェックし、補習や再テストを通して、自学自習の姿勢を養います。

 キャリア教育では高1の夏に「未来の履歴書」を作成します。これは、自分の将来を想定した架空の履歴書を作成するもので、その未来を実現させるために学ばなければならないこと、自分のやりたいことや強みを明確化し、高2での文理選択の足掛かりとします。

 グローバル研修としては、カリフォルニア大学をはじめとする世界のトップ校の学生や在日留学生を招いて意見交流や発表を行うGlobal Studies Program(中3~高2希望者対象)のほか、オーストラリアや台湾での海外研修、ニュージーランドへのターム留学を実施しています。また、2023年度より高1・2の希望者を対象に、環境問題を現地調査し、その結果を発表する4泊6日の「カンボジアキャラバン」も導入しました。

 2025年度入試では大きな変更はありません。詳細は学校ホームページをご覧ください。

イメージ写真 2023年10月には、台湾の名門校・新竹高級中学と兄弟校に。今後、学校訪問やホームステイなどを通し、グローバルリーダー研修をさらに深化させるそうです

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