受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中央大学附属横浜中学校

2024年6月7日(金)

中央大学の付属校でありながら、他大学受験も全力でバックアップ

 2010年に中央大学の付属校となった中央大学附属横浜中学校・高等学校の前身は、横浜山手女子中学校・高等学校です。長らく女子校でしたが2012年に中学が男女共学化され、2013年には現在地の港北ニュータウンに移転すると同時に、現校名に改称されました。そして、2014年には高校も共学校に移行しました。校訓に「謝恩礼節」「自立実践」を掲げ、心身ともに健全で、自立した人間の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、教頭の伊藤公孝先生は、同校の四つの教育方針「謙虚に学ぶ姿勢をもった人間を育てる」「人生を肯定的に生き抜くこころを育てる」「知性と行動力を兼ね備えたリーダーを育てる」「努力と挑戦を続ける人間を育てる」を紹介しました。伊藤先生は「本校の目標は、中央大学の中心となって活躍できる学生を育成することですが、この四つの要素は生徒たちが将来、どの大学や職業を選択することになっても、必ず必要になるものだと考え、その養成に特に重点を置いて教育活動に取り組んでいます」と述べました。

 それらの実現のために力を注いでいるのが、「基礎的学力の養成」と「人間形成」です。基礎的学力の養成では、週6日制、1コマ50分×6時限と十分な授業数を確保し、とりわけ中学では、国語・数学・英語の授業を多めに設定しています。数学は、中学の段階から代数と幾何に分けて授業を展開しているほか、国語は中学から「古典」の科目を設け、高校レベルの文章も扱います。英語は中高ともネイティブ教員による英会話の授業を設けています。中学1・2年次の総合的な学習の時間では1学級を2分割した少人数クラスできめ細かく実践的に指導し、一人ひとりの発話を促します。加えて、各学期に1回の「学力テスト」を実施し、学力の定点観測を行います。成績不振の生徒には個別に補習や補講を行うなど、手厚くサポートしています。

 一方、人間形成の面では、文化系・運動系合わせて35の団体が活躍するクラブ活動、クラスやクラブ単位で出し物を披露する紅央祭(文化祭)、中高別の体育祭といった学校行事の運営を生徒に任せ、協調性やコミュニケーション力の向上をめざしているとのことです。「思いやりやマナーを身につけるだけでなく、企画力・行動力を高めていく点でも非常に有意義な機会になっています」と伊藤先生は説明しました。

 付属校のメリットを生かした、中央大学との連携プログラムも活発に行われています。中1の「ようこそ! 中央大学へ」という歓迎イベントでは、早期から学問への興味喚起を促しているほか、高校生になると、中央大学の教授による出張講義も受けられます。さらに、中央大学の全学部共通科目である「AI・データサイエンスと現代社会」を先行して履修するなど、大学生と同じような学びを一足先に体験できます。

 ちなみに同校では例年、卒業生の約7割が中央大学に、残りの約3割が他大学に進学しています。2024年度の実績としては、東京大学に3名が合格しました。これについて伊藤先生は、「目標はあくまで『各自の進路希望の実現』です。外部受験をする生徒に対しても、その希望の実現に向けたサポートを全力で行っています」とアピールしました。さらに、国公立大学や中央大学にない学部・学科をめざす場合に適用される「他大学併願制度」を利用すれば、内部推薦の権利を保持したまま他大学を受けることもできます。「進路が保証されているからこそできる、余裕とめりはりのある学校生活が本校の魅力です」と伊藤先生は胸を張りました。

 続いて登壇したのは広報部長の寺戸哲也先生です。2024年度の入試を振り返り、「合格者最低点は65%付近です。難問・奇問はなく、標準レベルの出題を心がけていますので、基本問題を確実に解答できる力をつけておくことが合格のかぎになります」と話しました。2025年度の募集要項は8月下旬に発表する予定とのことです。

イメージ写真 約4万2000冊の蔵書を誇る図書室には、自主学習に集中できるスペースも設けられています

www.yokohama-js.chuo-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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