受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

国士舘中学校

2024年6月3日(月)

心学・活学の実践と多くの体験を通じて、社会で活躍する力を身につける

 国士舘は、幕末の志士・思想家である吉田松陰の教えの系譜を継ぐ私塾「國士館」として、柴田德次郎によって、1917年に設立されました。1923年に国士舘中等部が設置されて以来、男子校として歴史を歩んできましたが、1994年に共学の中高一貫校となりました。世田谷区にある同校の周辺には、吉田松陰をまつる松陰神社、大老・井伊直弼が眠る豪徳寺があり、歴史の息吹を感じる落ち着いた環境も魅力の一つです。

 この日の説明会はオンラインで実施され、教頭の神山優子先生が国士舘の教育理念・カリキュラム・学ぶ環境について説明しました。同校がめざす将来の生徒像として、「何にでも挑戦する力を持つ生徒」を挙げた神山先生は、「さまざまな体験から学び、振り返って計画し、新たな挑戦に向かうことによって、人と社会を支える力を身につけてほしいと願っています」と語りました。

 神山先生が特徴的な授業として挙げたのは、武道と書写です。武道については、中1で剣道と柔道が必修で、中2以降はどちらか一つを選択し、さらに鍛錬を重ねます。そこでは「礼に始まり礼に終わる」という武道の精神を通じて、相手の立場に立って行動することの大切さを学びます。また、書写も必修となっており、作法室と呼ばれる書写専用の教室で、正座して取り組む時間は、集中力や忍耐力の養成にもつながっています。

 同校の教育の柱は「心学」と「活学」です。「心学」は道徳や思いやりを、「活学」は実践力を意味し、これらを伸ばす3要素に「読書・体験・反省」を掲げています。中学では、広い視野と社会性を身につけるために、特に「体験」を重視しており、年間で約46回の学校行事が催されています。

 大学との「接続」にも熱心で、中学段階で、国士舘大学の法・文・理工・21世紀アジア・体育の5学部で学べる機会を設けています。生徒たちは大学での学問や研究について早い段階から理解を深め、進路選択に役立てているそうです。

 国際教育にも力を入れています。ネイティブ講師による英語の授業を各学年で行っているほか、中2生を対象に、福島県のブリティッシュヒルズでの英語研修を実施。間違いを恐れず、自分から話しかける姿勢を重視した指導により、コミュニケーションツールとしての英語力の獲得をめざしています。

 自立学習を習慣化させるために、学校内で完結できる「オールインワン学習サポートシステム」を整備していることについても説明がありました。朝学習では、始業前に小テストを実施し、前回の授業の内容が理解できているかどうかを確認したうえで、その日に取り組むべき課題を明確にします。放課後学習では、予習・復習・課題など、今必要なものを自分で選択し、取り組む時間を設けています。また、専門スタッフとチューターが常駐する自習室「K-Improve」を夜6時30分(一部は夜8時30分)まで開放し、生徒たちの弱点克服やステップアップに活用しています。

 同校では、中2に進級する際に、より高い学力の育成を図る「選抜クラス」と、高校進学を見据えて確実な学力定着をめざす「進学クラス」に分かれます。途中で成績による入れ替えがあるものの、高1まではその2クラス体制で進みます。高2と高3では、クラスは文理別・希望進路別に編成。卒業生のうち約半数は国士舘大学に、約4割は他大学に進むそうです。神山先生は「学校説明会、体験会を開催しているほか、スポーツ大会や言道大会(スピーチコンテスト)、文化祭をはじめ見学が可能な行事も多数あります。授業見学は随時受け付けていますので、国士舘の教育と学校の雰囲気を知りたい方はぜひ、ご参加ください」と説明会を締めくくりました。

イメージ写真 緑豊かなキャンパスで、生徒の心を育てる「心学」と、社会の一員として人々の先頭に立って活躍する力を養成する「活学」が実践されています

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