受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

巣鴨中学校

2024年6月2日(日)

努力を重視する「硬教育」と充実の国際教育で生徒たちの可能性を広げる

 1910年に哲学者・遠藤隆吉博士によって設立された巣鴨中学校・高等学校は、私塾「巣園学舎」を前身とする歴史ある男子校です。創立以来、自分で努力する姿勢を大事に育てていく「硬教育(努力主義)」による男子英才教育と人間研究の実践をめざしています。近年は国際教育にも力を注ぎ、多様なプログラムを通じて生徒たちの視野を大きく広げる機会を設けています。また、2023年8月には東京医科大と高大連携協定を締結し、大学の講義への特別受講生の受け入れや、大学教員による中学・高校への出張講義などを盛んに行っています。

 この日は最初に、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生が登壇しました。まず、2024年度の同校の入試結果について解説し、続いて、巣鴨中学校についてサピックス卒業生やその保護者から寄せられたアンケート結果を紹介しました。入学者やその保護者からは「入試当日、控え室での校長先生の話にとても胸を打たれた」「見学に行った文化祭では、科学技術部の先輩が優しくしてくれて入学したくなった」「保護者会は自由な雰囲気でほっとした」といった声が寄せられているそうです。

 続いて、あいさつに立った校長の堀内不二夫先生は、「中高6年間は、社会に出て活躍するための土台を築くうえで大切な時期です。人生を切り開くためには、知性・体力・精神力、確固たる意志、それを説明できる力、そして共感力、この六つを鍛えるべきです。共感力は仲間との間でしか育むことができません。切磋琢磨するなかで、共感力を育み、みずからの船で大海にこぎ出す勇気を持たせたいと思っています」と結びました。

 国際教育担当の岡田英雅先生からは、学校生活全般について説明がありました。同校では、中1からパソコンを使った授業が行われ、全教室にはプロジェクターが設置されています。そして、効率的な学力形成をめざすカリキュラムの下、中学では必要に応じて高校の学習内容も学んでいきます。中3・高1の2年間は、数学を中心とした成績上位者による「数学クラス」を設置。その後、高2で文系・理系に分かれ、高3は大学受験を意識し、選択授業中心となります。岡田先生は「ペースが速いのでは、と心配なさる保護者の方もいらっしゃいますが、放課後に得意分野を伸ばすステップアップ講習や、苦手意識を持たずに学べるフォローアップ講習、長期休暇中は講習を開講するので大丈夫です。ご安心ください」と説明しました。

 部活動も盛んな同校では、体育系17、文化系20のクラブがあり、兼部も可能となっています。活動日は週3日までと決められていますが、そのおかげが、生徒たちは集中して活動に励み、好成績を残しています。

 一方、生徒たちの希望や提案によって高校の修学旅行の行き先を決めるなど、生徒の自主性を重んじているのも同校の特徴です。5月には、夜の山道の踏破に挑む「大菩薩峠越え強歩大会」、千葉県館山市で行う夏の「巣園流水泳学校」、1月の「早朝寒稽古(柔道・剣道・駆け足)」といった伝統行事も大切に受け継がれています。

 一方、最近注目を集めているのが国際教育です。2週間の英国ツアー「巣鴨ビヨンド・ボーダーズ」は、イギリスの名門パブリックスクールの先生方と巣鴨の国際教育部が共同開発したプログラムでスコットランドからロンドンまでを南下するなかで、英国の歴史や文化に触れながら、国造りを学びます。また、英国政府の要職者や歌手など国際社会の最前線で活躍する講師を招いての「巣鴨サマースクール(SSS)」など、多様なプログラムが実施されています。

 2025年度入試には大きな変更はありません。岡田先生からは「いつも、『努力が報われるような試験』にしようと心がけています」というメッセージが送られました。

イメージ写真 世界の第一線で活躍する講師陣と過ごす巣鴨だけの特別な6日間「Sugamo Summer School」 で学ぶ英国紅茶

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