受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京成徳大学中学校

2024年5月29日(水)

多様な希望進路をかなえる6年間のプログラムで「自律した学習者」を育成

 東京成徳大学中学・高等学校は、1926年に創設された王子高等女学校から発展した男女共学の中高一貫校です。2026年の学園創立100周年に向けて、「“成徳”の精神を持つグローバル人材の育成」というビジョンを掲げ、未来に羽ばたく力を育む環境の整備に力を注いでいます。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、学校紹介動画の上映に続いて、入試広報部部長の岩崎洋二郎先生があいさつに立ち、同校の教育内容を説明しました。まず、中学から入学する中高一貫部の生徒が、高校からの入学生とは別カリキュラムで学んでいることに触れ、「中高一貫部で育てたいのは、『創造性』『チャレンジ精神』『主体性』を持った“自律した学習者(Distinguished Learner)”です」と強調しました。同校では、教員が知識を与える「教え型」と、生徒がみずから学び取っていく「学び型」の両方の手法を採用し、「未来を見据える」「世界を知る」「自分を拓く」という三つのコンセプトの下、6年間の学習プログラムを構築しています。

 「未来を見据える」プログラムとしては、1人1台のタブレット端末を駆使しつつ、生徒の将来の可能性を広げるICT教育を実践していることが紹介されました。同校は、Apple社にその教育効果の高さが認められた「Apple Distinguished School」の認定校であり、ICT機器を専門的に活用する資格を持つ5名の教員が校内の先進的な学びを牽引しています。二つ目の「世界を知る」プログラムに関しては、「ただ海外に行くということとは少し視点が違います。グローバルな体験を通して、自分の強みや弱みを知り、これからの生き方と真剣に向き合うためのプログラムです」と岩崎先生は言います。三つ目の「自分を拓く」プログラムでは、高1からゼミ形式で専門分野を探究する「Diversity Seminar」や、みずからテーマを設定して課題解決をめざす高2の「実地踏査型研修旅行」のほか、生徒が中心となる行事運営などを通して主体性を養っていきます。

 次に、ICT活用推進部長で英語科教諭の和田一将先生から、「世界を知る」プログラムの具体的な説明がありました。中1では、まず英語に慣れることから始め、ネイティブ教員による授業や、年間100レッスンのオンライン英会話を実施して英語力を伸ばします。大きな特徴として紹介されたのは、中2生全員がセブ島に2週間の語学留学に参加し、その経験をもとに、中3の3学期に3か月の「ニュージーランド学期留学」に参加する「留学タイプ」と、日本でグローバル教育を受ける「国内タイプ」のいずれかを生徒自身が選択できることです。和田先生は「海外大学への進学を希望する生徒も増えているため、同じ目標を持つ生徒同士が交流し、情報を共有できる『東京成徳グローバルプロジェクト』を立ち上げました。世界7か国50校の大学を対象にした海外大学推薦制度も整備しています」と話しました。

 ここで岩崎先生が再び登壇し、2025年度の中学入試について次のように説明しました。「本校を第一志望校として受験してくださる方にぜひ入学してもらいたいと考えているため、2月1日の午前入試の受験生が有利になるような入試制度を準備しています。詳細は今後の説明会などでお伝えします」。また、きめ細かく生徒を見守るため、中1のクラスを現在の4クラスから5クラス編成にすることも検討しているそうです。

 最後に岩崎先生は、自分の夢や目標に合った大学を選び、それぞれの道へと巣立っていった卒業生たちを紹介し、「入学したその先を見据えて学校選びをするという点では、中学受験も大学受験も同じです。本校は2017年度より学校改革を進め、『この学校で学びたい』と思ってもらえるような教育を実現してきました。皆さんとの『相思相愛型』の受験となるように、これからも学校づくりに取り組んでいきたいと思います」と語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 同校はDistinguished Learner(自律した学習者)に向かって、三つの観点「創造性・主体性・チャレンジ精神」の育成をめざした先進的な教育を実践しています

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