受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智中学校

2024年5月29日(水)

2024年度から、S特待合格者対象の「創発クラス」がスタート

 「平和で豊かな世界の実現に貢献する創造力・発信力・コミュニケーション力を持った国際的リーダーの育成」をめざす開智中学・高等学校では、「高質な教科学習の実践」「探究・発信型学習の実践」「生徒の自主性の育成」の三つを教育の柱に掲げ、各教科で先端的な授業を展開しています。

 あいさつに立った校長の菅沼健児先生は、「昨年度までの3年間、『外へ、未来へ』を学校目標としていたこともあり、生徒たちは校外にも目を向け、自主的な活動に精を出していました。加えて、今年度は『新しいものや価値を創造すること』『問題を解決していくこと』を追求したいと考え、学校目標を『創造×解決』に一新しました」と述べました。

 続けて、今年度から中学に新たなクラスが創設されたことにも触れました。これまでは、東京大学など最難関大学をめざす「先端ITコース」、医歯薬獣医系学部を目標にする「先端MDコース」、グローバルな職業やIT業界など最先端分野をめざす「先端GBコース」、中1~高1の探究型学習を通じて将来を考える「先端FDコース」の先端4コース制として、生徒自身が入学前に選択する形式でしたが、今年度から「創発クラス」が加えられたのです。このクラスに所属するのは、S特待で合格して入学し、同クラスを希望する生徒です。授業は、先端4コースの特色を取り入れたハイレベルな内容で展開され、思考力や表現力を伸ばし、「総合知」を追求します。菅沼先生は「クラスは毎年、成績によって入れ替えるので、誰にでもチャンスはあります」と強調しました。高2からは文理国公立大・文理私大・医系の各コースに分かれます。同校は国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)の候補校であるため、2025年度からはこれにバカロレアDPのコースも加わる予定です。

 また、開校当初から力を注いでいるのが「探究・発信型学習」です。これは、身近な課題を発見し、疑問・仮説・検証・考察のサイクルを繰り返すことで思考力・探究力を育み、発表のスキルも磨くというものです。個人で探究テーマに取り組むほか、「磯のフィールドワーク」(中1)、「森のフィールドワーク」(中2)、「関西フィールドワーク」(中3)、「首都圏フィールドワーク」(高1)といった学年別の校外学習も実施します。その集大成となる高2の「英国フィールドワーク」では、現地の大学生に向けて英語でプレゼンテーションし、そのテーマについてディスカッションも行います。

 続いて、教頭の清水潤一先生から同校の特徴的な授業について説明がありました。中1・2は、どのコースも「探究型授業」「知識を獲得する授業」「英単語や漢字を習得し、計算力をつけるための反復学習」が中心です。数学は中1からオリジナルテキストを使用し、高2まで高校の内容をすべて終了します。英語はネイティブ教員との触れ合いを重視し、授業以外に昼休みや放課後にも自由に英会話ができる「Chat Card」や、放課後にネイティブ教員が常駐し、英語について質問できる「English Room」なども設けています。

 昨年度、先端ITコースの希望者を対象に導入された数学の特別授業「ガウス数学チーム」は、今年度からは創発クラスの全生徒も受けるようになったそうです。清水先生は「生徒たちが主体的に進めていくような開智伝統の授業を展開しています。ジュニア数学オリンピックなどの難問にも挑戦する予定です」と述べました。一方、先端GBコースの希望者には、英会話を重視した英語の取り出し授業も行われています。今年度からは、高1を対象に国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)の授業を体験する「プレDP」もスタートしました。このほか、中学の道徳の時間には、正解のない問いについてみんなで考える 「哲学対話」の授業があり、相手の考えを理解したうえで自分の意見を伝える 「対話力」も培っていることなどが伝えられました。

イメージ写真 スポーツ施設が充実する広々としたキャンパス。午後9時まで利用できる自習室もあり、自主的に学習する生徒が多くいます

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