受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

山脇学園中学校

2024年5月24日(金)

生徒一人ひとりに向き合い、自己実現と他者貢献の視点を持った「志」の実現を

 1903年に設立された女子實脩(じっしゅう)学校から発展した山脇学園の初代校長は山脇房子です。その「西洋のレディに負けない、高い教養とマナーを身につけた女性を育成したい」という思いは、「自ら求め、深く学ぶ(自主・探究)」「志を抱き、未来を拓く(立志・展望)」「互いに思いやり、仲間とともに創る(互恵・協働)」という教育目標として現在も受け継がれています。中学・高校を合わせた生徒数は約1600名の大規模校ですが、校地は都内私立中学の平均に対して1.6倍もの広さを持ちます。

 学校長の西川史子先生は、「2024年度に文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、教育環境がさらに充実します。総合知を身につけたグローバルに活躍するサイエンティストの育成をめざします」と力強く語りました。

 同校では、将来、社会のどの分野でも求められる力として、自然科学と人文・社会科学を融合した総合的な「知」を意味する「総合知」の育成に力を注いでいます。探究力・研究力、ものづくり、英語コミュニケーション、データサイエンス、プログラミング、科学倫理、論理的思考力を養うための「総合知プログラム」を設置し、中学段階で全員が履修します。西川先生は「意欲・協調性・粘り強さ・コミュニケーション能力・計画性などの非認知スキルを磨いて、社会で活躍できるスキルを醸成します」と説明しました。

 続いて、学習進路部長の高桑浩一先生が登壇し、中高6年間のカリキュラムと学習・進路支援について説明しました。同校では6年間を2年ずつ三つのタームに分け、多くの学びや経験を通して生徒に「志」を持たせることをめざしています。まず、中1・2で学習習慣をしっかり身につけ、中3・高1では探究的な活動で学びを深め、高2・3では習熟度別・文理別のクラスで希望進路の実現に向けて学力を伸ばすという方針です。2024年3月の卒業生268名は、75大学・153学科に進学しました。進路が多様なのが特徴ですが、これについては「生徒一人ひとりの志に向き合い、指導を行ってきた結果です」と語りました。系統別に見ると、文系が5割、理系が3割、その他が2割となっていますが、「年々理系の志願者が増えており、数年後には半々となる見通しです」とのことです。

 学びのエリアも充実しており、英語を楽しく学べる「イングリッシュアイランド(EI)」、本格的な実験・研究設備が充実した「サイエンスアイランド(SI)」、卒業生を中心に大学生チューターが日々の学習をサポートする「セルフスタディアイランド(SSI)」など、生徒たちの主体的な学びを促す設備とサポート態勢を整えています。

 教頭補佐の松本健一郎先生からは、総合知を育てる6年間のプログラム「Integrated Science Project(ISP)」の具体的な説明がありました。これに基づいて、教科連携型のカリキュラムを全生徒が履修します。たとえば、中2の技術の時間にはIoTの基礎を学びます。中3ではデータサイエンスなどを学習する「探究基礎」や、「ELSI」(科学倫理)の時間を設けています。最も大きな特色となるのが中3で実施する選択制の「チャレンジプログラム」です。「英語チャレンジプログラム」「マイチャレンジプログラム」「科学研究チャレンジプログラム」の三つに分かれて探究活動に取り組むもので、1年間の研究成果を発表する「YAMAWAKI Science Expo」といった場もあるそうです。

 最後に、入試広報部長の堀江綾先生から2025年度入試について説明がありました。従来の「英語AL入試」が廃止となり、「探究サイエンス入試」改め「理数探究入試」が新設されます。詳細は学校ホームページに掲載される最新の募集要項をご確認ください。

イメージ写真 イギリスの街並みをイメージしたイングリッシュアイランド。楽しく英語を学べるよう、工夫に満ちた空間となっています

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