受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

北鎌倉女子学園中学校

2024年5月25日(土)

「先進コース」「音楽コース」に加え、2025年度から「国際コース」を新設

 北鎌倉女子学園中学校・高等学校は、1940年開校の北鎌倉高等女学校から発展した女子の中高一貫校です。「のびやかな自立した女性を育む」という教育理念の下、「伝統的な学び」と「革新的・先進的な学び」の両輪で、変化する時代をしなやかに生きる力を育てようとしています。

 この日のオンライン説明会で、入試広報部長の鈴木奈津子先生が最初にアピールしたのは、同校がその養成に力を入れる「国際性」「発信力」「創造性」「人間力」の四つの要素です。元駐米大使の藤崎一郎理事長や、開成中学校・高等学校の前校長でハーバード大学での教員経験もある柳沢幸雄学園長などの国際的な知見を生かしながら、これらのスキルをバランス良く伸ばしていく教育体系が確立されている点を強調しました。

 中学は、基礎基本の定着と、先進的な知識・技能の獲得をめざす「先進コース」と、音楽大学進学をめざす生徒のための「音楽コース」の2コース制です。先進コースの特徴的な授業として、「先進英語」と「先進的な学びの時間」が紹介されました。「先進英語」では教科書や問題集は使用せず、洋楽のリスニングやアプリを使った学習で、実践的な英語力を高めます。また、「先進的な学びの時間」では、1人に1台が貸与されるタブレット端末や「ICT Room」のパソコンを駆使し、ストップモーション動画の作成やプログラミング学習に取り組みます。

 このように、同校では日常的な学習にデジタル機器を積極的に取り入れ、学習効率の向上に注力しています。「Kitakama Learning Site」と呼ばれる独自の学習システムもその一つです。個別最適化学習により、苦手分野を復習したり、得意分野をさらに強化したりと、一人ひとりが自分の課題に合わせて学べるようになっています。そうした取り組みが認められ、高校は今年度から文部科学省の「DXハイスクール」に認定されました。

 続いて鈴木先生は、中3~高3を対象とする「国際コース」が2025年度に新設されることを明らかにしました。ネイティブ教員と英語で交流できる「English Room」を設置し、英語で外国人観光客を円覚寺や鶴岡八幡宮に案内するボランティア活動「English Guide」に取り組むなど、国際交流の機会が豊富な同校ですが、ここ数年、生徒たちのグローバル志向の高まりが著しいので、新コースの設立に踏み切ったとのことです。国際コースの対象を中3以上としているのは、中1・2の2年間で自身の「得意なこと」「好きなこと」を模索したうえで、「もっと英語を学びたい」という考えに行き着いた意欲的な生徒をさらに伸ばしたいという狙いもあるからです。国際コースの中3生の英語は週9コマですが、この授業時数は、先進コースよりも3コマ多くなっています。文法や大学受験対策を除くすべての英語の授業がオールイングリッシュで進められるのも特徴で、「海外大学や国内大学の国際系学部にも十分対応できるカリキュラムとなっていますので、大いに期待してください」と鈴木先生は胸を張ります。また、英語を使って国際問題や時事問題を考える授業では、海外経験豊富な藤崎理事長や柳沢学園長が指導を担当する予定だそうです。海外留学制度や、北鎌倉女子学園とアメリカの高校の両方の卒業資格を取得できるデュアルディプロマ制度も充実しており、「高い英語力を武器に、自分の人生を切り開いていけるような生徒を育てていきたいと考えています」と鈴木先生は今後の展望を語りました。

 最後に、中学入試についての説明が行われました。同校の先進コースでは、2科や4科のオーソドックスな入試に加え、算数または国語を選択する1科目入試、プログラミング入試、エッセイ入試、英語プレゼン入試など、さまざまな形態の試験を設けています。その目的について鈴木先生は「お子さんの『好きなこと』『得意なこと』を入試にも生かしてほしいからです」と説明すると、「本校は生徒一人ひとりの強みを伸ばせる学校です。受験校の一つに加えていただけたら幸いです」と締めくくりました。

イメージ写真 北鎌倉駅から徒歩7分のキャンパスは、緑に囲まれた高台にあります。落ち着いた環境のなか、生徒たちは勉強や部活動に励んでいます

www.kitakama.ac.jp/index.php 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ