受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖園女学院中学校

2024年5月14日(火)

大学と提携し多様なプログラムを展開。「新しい自分の使命」を見つける

 カトリック女子修道会「聖心(みこころ)の布教姉妹会」によって、1946年に高等女学校として設立された聖園女学院は、1948年に新制の中学校・高等学校となり、1976年より完全中高一貫教育を開始しました。2016年には学校法人南山学園と合併し、「キリスト教世界観に基づき、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成」をめざしています。

 説明会の冒頭、校長であり宣教師でもあるミカエル・カルマノ先生があいさつに立ち、「学校教育を語るとき、『学校で何を、何のために学ぶのか?』を考えることが大切です」と話しました。同校では、クリスマスのミサやキャンドルサービスなどの宗教行事を大切にしながらも、大学と連携したプログラムを実施する教育のさらなる充実を図るなど、常に新しい取り組みをしているとのことです。カルマノ先生は「宗教との出会いを通して自分とは違う使命を持つ人と協力して、新しい自分の使命を見つけてほしい」と結びました。

 続いて、中学教頭の鹿野直美先生が、同校ならではの学びを紹介しました。一つ目は、相互尊重に重きを置いたコミュニケーションプログラムです。中1・2対象の「プロジェクトアドベンチャー研修」では、アクティビティ・表現・話し合いなどを通して生徒同士が互いを知り、コミュニケーション力を育みます。また、心をかたちで表現することを学ぶ礼法講座では、小笠原流礼法の講師を迎え、あいさつや日々の所作の基本を学びます。

 環境問題にアプローチする取り組みにも積極的です。今年度から始まった「MISONO竹林プロジェクト」では、地元のボランティアグループと協働し、学校の敷地内にある竹を焼いて竹炭を作り、それを役立てる方法を考えます。清泉女子大学の地球市民学科と連携して、製品化にもチャレンジする予定だそうです。このほか、聖園祭(文化祭)ではコーヒーのチャリティー販売を行い、すべての売り上げをマラウイの子どもたちの給食支援のために寄付しています。

 キャリア教育や進路指導については、進路指導部長の伊藤直紀先生が説明しました。伊藤先生は、「偏差値やブランドではなく、『何を学ぶのか』を重視して大学選びができるようサポートしています」と話しました。高1・2対象の「分野別大学説明会」は、12種類の学問分野から生徒自身が興味・関心のある分野に触れることで、進学後にミスマッチが生じないようにしているそうです。

 また、「聖園ノート」と呼ばれるオリジナルのスケジュール手帳を自己管理のツールとして活用しています。学習予定やその振り返りを毎日書き込むよう指導し、早い段階から自己管理を徹底させているのです。これは、担任とのコミュニケーションツールとしても役立っています。

 放課後の学習支援も充実しています。放課後自習室では、国公立大学・難関私立大学のメンターが常駐し、質問や学習法の相談に応じるほか、生活面でのアドバイスなどもしているそうです。また、今年度からは「aim@(エイムアット)」というICT教材を導入しました。同校オリジナル仕様で設計され、数学の計算力強化や英検®対策などに活用しています。

 このような取り組みによって、国公立大学や上智大学、同志社大学、GMARCHなどの難関私立大学への進学実績は上昇しており、2024年春はこれらの大学への進学率が26.7%と過去最高を記録しました。

 定評のある英語教育では、海外の人々とのコミュニケーションを通じて、相互理解と自己理解を深めていくことを重視しています。また、放課後に校内留学を体験できる教室「MEA(Misono English Academy)」では、週替わりで充実したプログラムが実施されています。MEAにはネイティブ教員が常駐しており、ハロウィーンやクリスマスなどの楽しいイベントを行うだけではなく、英検®の面接対策などもできるそうです。

 2025年度入試では、特待制度が新設され、試験の名称変更もあるとのことです。詳しくは学校ホームページに公開される最新の募集要項を確認してください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 第一装制服が2024年度、ブルーを基調としたさわやかなデザインに一新されました。スラックススタイルのネクタイは、生徒がデザインした聖園女学院オリジナルです

www.misono.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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