受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

細田学園中学校

2023年8月31日(木)

探究型学習を通して「好きなこと」や「得意なこと」を見つける

 1921年に細田裁縫女学校として創設された細田学園は、100年以上の歴史を持つ伝統校です。1999年には共学化し、校名を細田学園高等学校に変更しました。2019年には中学校を開校し、中高一貫校として先進的な次世代型教育を展開しています。

 説明会で登壇した理事長の持田直人先生は「ニューエデュケーションをうたう学校が5年ほど前から増えましたが、伝統校は長年かけて培ってきた教育方針を大きく変えることが難しく、実際には昭和型の教育のなかに新しい教育を少し取り入れる程度という学校が多いように思えます。しかし、本校は約100年の伝統を継承しつつも、中学は2019年に開校したばかりです。『愛と奉仕』という建学の精神を受け継ぎながらも、中高一貫課程では次世代型の教育を実践しています」と話しました。

 「愛と奉仕」に基づいた人間教育については、すべての生徒に目が行き届くようなきめ細かいサポートを心がけています。たとえば、生徒と教員による個人面談を頻繁に実施し、中2と高2では、年に1回ずつ理事長みずからが面談を行い、生徒一人ひとりと真剣に向き合います。また、生徒全員に目を配れるように、1クラスを30人前後の少人数で編成しています。このほか、1週間の予定や学習した内容を記入する「dots note」を提出させ、学びの習慣化を図るとともに、教員とのコミュニケーションを活発化させています。このように、きめ細かい指導体制をとっていますが、手取り足取りで教えるわけではありません。生徒が「もう自力で乗り越えられそうだ」と感じたら、教員はあえて干渉せず、家族のように見守ります。

 学びの特色として、フィールドワークや探究学習が多いことが挙げられました。昨年度からは、文部科学省による教育課程特例校指定の「FDC(Future Design and Creation)教育」という探究学習が週3回導入されています。生徒はみずから発見した課題に取り組みながら、グループワークを行います。それぞれが自由に好きなことに取り組むだけあって、昨年度は「中高生に向けた化粧品を開発する」というテーマもあれば、猫の殺処分を減らすためにポスター製作や募金活動などを行う「さくらねこプロジェクト」もあり、実際の活動内容は多彩でした。

 また、既存のクラブに興味の対象がなくても、生徒たちの熱い要望があれば新設も可能です。たとえば、今年設立されたロボット部は、早くも全国大会にエントリーするなど充実した活動をしています。このほか、海外に目を向ける生徒も多く、2020~2023年度には1~3期生の計16名が海外長期留学プログラムに参加しました。持田先生は「本校は、生徒が好きなことや得意なことを見つけられる学校です」と語ります。

 次世代型教育の一つとして、「人生で最も多感な中高6年間にたくさんのdots(原体験)を得るべき」という理念の下、「dots教育」を実践しているのも特徴です。生徒は授業・学校行事・部活動などを通して多様な「人」「もの」「こと」に触れ、自身の個性・価値観を育みながら、「未来創造力」「国際力・英語力」「人間力」を養っています。

 学びの手法としては、体験学習・行事・部活動など、学校生活のあらゆる場面で「DITOメソッド」を採用しています。この“DITO”とは、Define(定義する)→Input(入力する)→Think over(熟考する)→Output(出力する)の頭文字を取った造語です。このサイクルを繰り返すことにより、多面的に、深くdots(原体験)を獲得できるそうです。

 2024年度入試に関する説明もありました。変更点については「特待生入試にスライド合格制度が採用されること」「1月10日午後の特待生入試は、従来までのTKP大宮ビジネスセンターに加えて、本校会場でも行われること」「複数回に同時出願の場合、2万5000円で一般・特待入試から最大4回の受験が可能であること」が伝えられました。

イメージ写真 中学生専用フロアは2021年に完成した新校舎にあり、最寄りの「志木」駅からは徒歩12分です。JR「浦和」駅や「中浦和」駅からも路線バスが運行されています

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