受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中央大学附属中学校

2023年6月19日(月)

「自主・自治・自律」を基本精神に掲げ、生徒みずからの活動を尊重する教育を実践

 中央大学附属中学校・高等学校は、4校ある中央大学の附属校のうち、都内で唯一の中高一貫校です。「自主・自治・自律」を基本精神とする自由な校風の下、生徒みずからの活動を尊重する教育を実践しています。蔵書数約20万冊を誇る図書館のほか、人工芝グラウンド、野球場、中学専用グラウンド、三つの体育館、ランチルームなどの設備が充実した、広大なキャンパスも魅力の一つです。

 説明会の冒頭、中学校教頭の金井利浩先生は、「本校の設定教科である『教養総合』の授業が本格的に始まるのは高校からですが、中学生の段階から探究の“視点”を養う『体験型学習』の機会を多く設けています」と話しました。行事に関連する学習の例として、生徒たちが計画した行程で遠足に行き、その地域の地理・歴史・文化などを探究して発表も行う中1・2での「ワンデイエクスカーション」、中2での「京都・奈良移動教室」、中3での「沖縄修学旅行」が紹介されました。高2での「教養総合Ⅱ」ではフィールドワークに取り組み、「問い」を深化させます。「アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、海外での実地踏査も再開しています」と金井先生は話しました。行き先はみずからの興味・関心に合わせて選択できます。

 英語力だけでなく表現力も伸ばす「Project in English」という取り組みの内容も紹介されました。金井先生は「身近なテーマについてグループで調査し、その内容を英語で発表する授業です。週1時間で、ネイティブの教師と日本人教師とがオールイングリッシュで指導します」と説明しました。中3の希望者を対象としたオーストラリアやイギリスでの交流プログラムも実施されているほか、高校生の希望者を対象とした「イギリス短期語学研修」、留学後は元の学年に戻れる「単位認定留学」などもあり、国際理解教育プログラムは充実しています。

 次に、副校長の大島誠二先生が登壇し、話題は中高大連携プログラムと進路に移りました。大島先生はまず「本校は受験のための勉強ではなく、大学に行ってから、さらには社会に出てから活きる学びに、特に力を入れています」と前置きし、そのための取り組みとして、中央大学との連携プログラムを紹介しました。これまで司法試験や公認会計士の合格者を多数輩出している中央大学の附属校であるだけに、中3では「ロースクール法教育」という講座があり、中3から高3までが受講できる「簿記講座」も開講されています。さらには高校在学中に大学の講義を先行して受講し、単位を修得できる「高大接続先行履修」の制度もあります。大島先生は「幅広く中央大学の講座を受講しながら、自分の個性や志望を明確にしたうえで、中央大学に進学できるよう指導しています」と強調しました。

 高校では理数教育にも力を注いでいます。同校は2018年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校となり、2023年度からも引き続き受講し、第Ⅱ期5年間の指定を受けています。高1では最先端技術にかかわる研究者によるSSH講演会を実施し、高2では「教養総合Ⅱ」に理系分野の「Project in ScienceⅠ」を導入。その研究成果を「SSH生徒研究発表会」でプレゼンテーションし、入賞した生徒の様子も紹介されました。

 最後は、進路についてです。中央大学への内部推薦枠は高3の人数の約90%分が用意されています。大島先生は「法学部の志望者が最も多く、毎年100名ほどが進学します。次に多いのが経済学部と商学部で、それぞれ60~70名が進学します。なお、国公立大学は分野を問わず、他の私立大学は医学部など中央大学にはない学部・学科・専攻に限り、被内部推薦権を保持したまま受験できます。今年度の卒業生は83%が中央大学に進学しました」と話しました。

イメージ写真 JR「武蔵小金井」駅からバスで6分、西武新宿線「小平」駅からバスで12分。中学の「中附スタイル」と呼ばれる制服はバリエーションが豊かで、思い思いの着こなしが楽しめます。なお、高校には制服がありません

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