受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

立教池袋中学校

2023年6月13日(火)

キリスト教に基づく人間教育を柱に、「真理を探究する力」「共に生きる力」を育てる

 立教学院は、1874年に米国人宣教師ウィリアムズ主教が開いた私塾を前身としています。その中等教育を担う立教池袋中学校・高等学校では、「キリスト教に基づく人間教育」を建学の精神に掲げ、「真理を探究する力」「共に生きる力」の育成に努めています。立教大学との結びつきを強め、小中高大の一貫連携教育を実践しているほか、さまざまな国際プログラムがあること、選択講座などで自己啓発型学習を積極的に実践していることも特徴です。

 この日の説明会の冒頭、校長の豊田由貴夫先生が登壇し、三つの教育理念について紹介しました。一つ目は、「キリスト教に基づく人間教育」です。同校では学校生活の基本に「祈り」を据え、礼拝と聖書の授業を週1コマずつ設置しています。秩序やマナーを身につけるとともに、自分を見つめ直し、他者への思いやりや倫理観を養う時間としています。

 二つ目は、大学までを含めた「立教学院としての一貫連携教育」です。豊田先生は、「高校受験や大学受験にとらわれず、多種多様な学習活動や体験学習を通してさまざまな知識に触れ、興味・関心を伸ばせる点こそ、一貫校の強みです。生徒たちはクラブ活動や生徒会活動などやりたいことに打ち込むという経験を積み重ね、『社会で生きる力』を育んでいます」と語りました。

 三つ目は「一人ひとりの個性に合わせた教育」です。同校は1学年が約150名で、教員にとって、すべての生徒の顔と名前が一致する規模となっています。個々の生徒に目が行き届くため、それぞれの個性に合わせたきめ細かい指導が可能です。豊田先生は「変化が激しく、ますます複雑になっていく時代に対応するためには、幅広い知識と深い思考力が必要です。先に述べた三つの理念に従い、社会が求める力を養い、周囲と協調してチームに貢献する新しいリーダーシップを兼ね備えた人材を育てていきたいと考えています」と結びました。

 次に、高1の在校生が学校生活についてスピーチしました。「自主性を重んじる教育環境の下、校外学習(修学旅行)は生徒自身が旅程を考え、予算もすべて生徒が管理します。中1から準備したので実現したときは達成感があり、旅の楽しさも倍増しました」とのことでした。また、「個性豊かな生徒がそろい、多彩な友人ができる」「受験がないため好きなことに没頭でき、生徒会副会長として公約を実現できた」とも述べ、充実した学校生活の様子を伝えました。

 続いて、具体的な教育内容について、教頭の原真也先生から説明がありました。同校では、「生き方にテーマのある主体的な人間の育成」を掲げ、それを具現化するために数々の特色ある取り組みを行っています。たとえば、選択制の「選修教科」もその一つです。学力補充を目的とした講座や理科演習、英会話、スポーツ、楽器演奏まで各学年とも約20講座があり、基礎・発展の2タイプに分かれて学びます。原先生は「自由に講座を選べるので、自分の不得意分野を補うことも、得意分野を伸ばすこともできます。また、テストも成績の評価もないため、純粋に『自分が何を学びたいか』だけで決められます」と話しました。このほか、高2から2年間かけて仕上げる卒業研究論文では、教員のサポートを受けながら各自が興味のあるテーマを探究し、1万2000字以上の論文にまとめます。完成後は発表の場も設け、表現力も培っています。国際交流の機会も豊富で、「アメリカ聖公会」のネットワークを活用したアメリカ各地での青少年キャンプや、短期交換留学を経験できます。英語教育ではプレゼンテーションやディベートも数多く取り入れながら4技能をバランスよく伸ばし、「生きた英語」の習得をめざします。

 大学との連携も強化しており、立教大生による中学生対象の夏休み集中補習や、立教大学の教員による高1向けの特別授業などが行われています。さらに、高3には「立教大学特別聴講生制度」があります。大学の講義を受講し、所定の成績を収めると高校卒業に必要な単位の一部として、また大学進学後、その卒業に必要な単位の一部として認められます。

イメージ写真 全天候型の走路を備えた人工芝グラウンド、地下2階・地上5階建てのアリーナ(体育館)、50m×6コースの屋内温水プールなど、充実した運動施設がそろっています

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