受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

法政大学第二中学校

2023年6月1日(木)

付属校ならではの強みを生かし、「国際社会における主体者としての資質」を養う

 1939年に旧制法政大学第二中学校としてスタートした法政大学第二中・高等学校は、「自由と進歩」を学風とする法政大学の付属校です。中高大の10年一貫教育によって、「国際社会における主体者としての資質」の獲得を目標としています。

 説明会の冒頭で、「わたし自身も約40年前にこの学校を卒業したOBです」という自己紹介から沿革の説明を始めたのは、副校長の下川禎先生です。当時はバンカラな男子校として知られた同校ですが、「2016年に共学化し、その雰囲気はがらりと変わりました。個性豊かで多様な生徒が集い、学び合い、活動を共にするなかで、違いを認め合う自由な校風が生まれています」と話します。そして、同校がめざす教育を「主体性」「共同性」「総合性」という三つのキーワードで説明しつつ、「大学受験にとらわれない中高大の10年一貫教育で、社会をより良い方向に導いていける人材を送り出していきたいと思っています」と述べました。

 次に、入試広報委員の望月則男先生が登壇し、教育内容について詳しく説明しました。中学では特に「体験」に重きを置き、たとえば理科では、中学3年間のカリキュラムのなかに70回以上の実験を組み込んでいます。その影響からか、中学から入学した法政大学内部進学者には、理系学部の割合が高いそうです。また、各教科でレポート作成も重視し、読み手に正確な情報を伝えることを目標に、中1からアウトプットの訓練を行います。そのほか、約7万冊の蔵書を誇る図書館を拠点とした探究型学習や、体育や家庭科などの実技教科にも熱心に取り組んでいます。望月先生は、このことこそが「考える時間をじっくり確保できる付属校ならではの強み」であり、「受験に必要な教科から優先して取り組む進学校にはできない学び」であるとアピールしました。

 とはいえ、学問を掘り下げるうえで、知識の習得は必須です。そのため、中1・2では1クラスを30人以下として少人数制で授業を行い、さらに英語と数学では分割授業を取り入れています。また、定期的に小テストを実施するなど、ていねいな指導で「わかる」を「できる」にすべく学力の定着を促し、中高大10年間の土台を築くことをめざしています。

 なお、法政大学へは「有資格者全入制度」があり、毎年卒業生の約9割が内部進学します。高校3年間の成績、英語の外部試験でのスコア、付属生対象の「基礎的思考力確認テスト」の点数が高い生徒から順に、志望学部に進学できます。法政大学への被推薦権を保持したまま他大学を受験することも可能ですが、望月先生は「あくまで法政大学専願者が優先です。他大学をあきらめて内部進学する場合は、学部・学科が希望通りになるかどうかは保証できません」と付け加えました。推薦を利用して法政大学に進む場合、学部が決定するのは高3の12月です。3学期は内定した学部ごとにクラスが分かれ、大学の学びに備えた論文作成やプレゼンテーションなどを開始します。望月先生いわく「早期から高い目的意識を持っているので、内部進学者は大学入学後の伸びが大きい」とのことです。

 最後に、入試広報主任の黒田学先生が、2024年度の中学入試について説明しました。第1回、第2回ともに4科の合計点で合否が決まるため、「どれか一つの教科が秀でているよりも、全体のバランスが取れていることが重要です」とのアドバイスがありました。そうした偏りのない学力が、高校や大学、ひいては社会で役立つと同校では考えています。また、男子校としての歴史が長かったことから、2023年度入試までは、募集人員の男女比が均等ではなく、男子が多めとなっていましたが、今後はそれを1対1に近づけることを検討しているとも伝えられました。詳しくは9月に発表される募集要項でご確認ください。

イメージ写真 時計塔校舎を中心としたキャンパスには、蔵書数が約7万冊の図書館、全国レベルの部活動を支えるグラウンド、冷暖房完備の体育館などの施設・設備が充実しています

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