受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

国本女子中学校

2022年10月24日(月)

カナダ・アルバータ州認定のカリキュラムで日本とカナダのハイブリッドな教育をめざす

 国本女子中学校・高等学校では「眞心の発揮」「自然に対する素直さの涵養」「恩を知り恩に報ゆる心の育成」という校訓の下、他者と誠実に歩んでいくための「心の教育」を重視しています。

 この日のオンライン説明会は、教務部長の吉田先生による施設紹介からスタートしました。ネイティブ教員と交流できるスペース「English Lab.」、最新機器を取りそろえた「理科室」、現役大学生がチューターとして常駐し、学習や進路の相談に応じる「進路指導室」など、その充実ぶりが写真とともに解説されました。

 続いて取り上げられたのが、カナダ・アルバータ州教育省と提携した取り組みです。吉田先生は「体系的に知識を学ぶ日本の教育と、体験を重んじるカナダの教育を掛け合わせたカリキュラムで、高度な英語力と国際人としての素養を磨きます」と説明しました。音楽や美術を通して英語に親しむ初級者向けのプログラムや、カナダから派遣されたネイティブ教員によるイマージョン教育などが実施されており、生徒一人ひとりが習熟度に合わせて英語力を磨ける環境が整っています。また、高校の「ダブルディプロマ(DD)コース」には、アルバータ州認定の海外校「Kunimoto Alberta International School(KAIS)」が併設されています。生徒は、国本女子高校とKAISの両方に在籍することになるので、卒業時には日本とカナダの二つの高校卒業資格が得られます。

 カナダの教育手法は、英語以外の教科にも取り入れられています。たとえば、「数理体験セミナー」では明治大学理工学部の学生と一緒に理系的思考を学び、「理科体験会」では地層見学や植物採集などを行います。このような体験学習では「教室で学んだ内容を教室の外に出て確認する過程」が特に重視されます。知識の定着を促すと同時に、広い視野で物事をとらえる力を身につけさせるのが狙いです。

 また、中学の「総合的な学習の時間」には、「教養プログラム」として各界の専門家を招き、双方向型のアカデミックな学びを実践しています。日本語学者との「俳句作り」や、校内に生育するサクラやツバキを使って染織家と行う「草木染」など、生徒たちの好奇心を刺激する内容です。この取り組みの目的について吉田先生は、「感受性の豊かな時期に、さまざまなジャンルのスペシャリストや『本物』に触れ、みずからのキャリアを考える際のヒントにしてほしいのです」と話しました。

 なお、中学は現在「リベラルアーツ(LA)コース」と「DDコース」の2コース制ですが、2023年度からは一本化されます。具体的な取り組みとしては、5教科の基礎学力を引き上げ、大学進学を前提とした学びにつなげていること、少人数授業で生徒一人ひとりに寄り添った指導を行うこと、高校で「DDコース」を希望する生徒には、英語に特化した課外授業を実施することなどが説明されました。

 最後は、2023年度中学入試についてです。入試広報部長の倉持宣良先生は、変更点として「第一志望の受験生に優遇措置を設けること」を明らかにしました。出願時に第一志望であることを申請した場合、ボーダーライン上で他の受験生と並んだ場合などに有利になります。また、英検®取得者は、3級を75点、準2級を80点、2級以上を90点に換算します。英国型(英語・国語・面接)受験の場合は、換算点と当日の英語試験の点数とを比べて高いほうを、算国型(算数・国語・面接)受験の場合は、換算点を含めた高得点2科を合否判定に用います。さらに、準2級取得かつ入試得点率が60%を超える場合と、2級以上取得かつ入試得点率が50%を超える場合は入学金が免除されます。倉持先生は「英語資格をお持ちの方にはさまざまなチャンスがあります。積極的にチャレンジしてください」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 小田急線「喜多見」駅から徒歩2分。English Lab.では、ネイティブ教員による個別指導も行われています

kunimoto.ac.jp/jsh/ 別ウィンドウが開きます。

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