受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本学園中学校

2022年10月13日(木)

2026年4月に共学化し、明治大学系列校に。「創発学」を通して基礎学力を磨く

 日本学園中学校・高等学校の前身は、教育者・杉浦重剛が1885年に創設した東京英語学校です。開校以来、男子校としての歴史を刻み、政官界・経済界・文化界など幅広い分野で著名な人材を輩出してきた同校は、2026年4月、明治大学の系列校として共学化し、校名も「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」に改称されます。

 この日のオンライン説明会で校長の水野重均先生は、3年後の共学化に触れながら、「本校は長い歴史を持つ学校ですが、常に時代の変化に応じて教育改革を行ってきました。2026年4月に明治大学の系列校として共学化するのも、その改革の一つです。引き続き、教育理念である『人は得意な道で成長すればよい』という杉浦重剛先生の教えを大切に継承しながら、得意なことを自信につなげ、やがてそれを自分の軸として社会に貢献できる人材を育てていきたいと考えています」とあいさつしました。

 続いて、中学部長の吉見康仁先生が登壇し、2005年から続けている「創発学」について紹介しました。生徒の創造力・発信力の向上をめざすこのプログラムでは、「自分ごと化」を重視しています。フィールドワーク・プレゼンテーション・キャリアエデュケーションなどに取り組む過程のなかで、生徒たちが「自分は何がしたいのか」を自問自答するようになります。具体的には、中1で林業・漁業体験を、中2で農業体験を行い、第一次産業の成り立ちや「仕事とは何か」について身をもって学びます。中3では、それまでのフィールドワークから得た成果と自身のキャリア観を重ねて、「15年後の自分」をテーマに研究論文を作成し、プレゼンテーションを行います。ここで吉見先生は「学力の3要素」を示すピラミッド図を示しながら、そのなかの「主体性・多様性・協働性」を磨く取り組みとして「創発学」が位置づけられていることを強調しました。「自分がやりたいことを見つけて、そこにたどり着くまでの道筋を逆算することこそ、創発学の目的なのです」とのことでした。

 次に、中2担任の石井宏明先生が授業の特色について説明しました。生徒たちは日々、朝テスト(英語・数学)、授業、漢字テスト、にちがく講座、Daily lesson notesを繰り返しながら学力を伸ばしていきます。にちがく講座とは週2回、7限目に設定されている自学自習の時間です。教室内に教員がいる環境で自学に取り組むため、「わからないことがあればその都度質問しながら、自分のペースで学習が進められます」と石井先生は言います。この時間を使って、定期テスト対策や英検®・漢検に向けた準備学習に取り組む生徒もいて、それぞれの弱点克服や目標達成につなげているそうです。

 一方、Daily lesson notesとは、担任から出される英語・数学の朝テストや漢字テスト対策を兼ねた課題をやるノートのことです。そのノートには短い日記を記入できるようになっており、教員はそれを生徒とのコミュニケーションに役立てているそうです。ここで石井先生は、再び「学力の3要素」のピラミッド図をスライドに映すと、「これらの取り組みは、3要素の土台となる思考力・判断力・表現力と、知識・技能の部分にアプローチするものです」と話しました。

 最後に、副校長の恩田敏行先生が、2026年4月からの明治大学系列校化及び共学化について詳しく説明しました。現在の6年生が高1になる2026年度から女子の募集を開始し、さらに、高3になる2028年度には、明治大学に内部推薦で進学できる準備が整います。恩田先生は「現時点では、卒業生の約7割(200名以上)が明治大学に推薦入学試験によって進学できる教育体制の構築をめざします。そのために必要な学力は、創発学や日々の授業で引き続き養成していきます」と語りました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 中1の林業体験は、入学してから最初に体験する創発学行事です。生徒たちにとってはなかなかイメージが湧きにくい林業ですが、間伐などを通してどのようなものかを肌で感じます

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