受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

公文国際学園中等部

2022年10月6日(木)

多様な生徒を「混ぜて・任せる」教育で個人の可能性を伸ばし、「問いを発する人」に

 横浜市戸塚区の緑豊かな環境にある公文国際学園は、1993年に中学校が、1996年に高等学校が開校し、自由な校風の下、男女共学の中高6年一貫教育を実践しています。公文式の創始者・公文公が創立した学校は同校のほかに、のびてゆく幼稚園(大阪府高槻市)、スイス公文学園高等部(スイス・レザン)があります。

 この日の説明会では、校長の梶原晃先生があいさつし、教育方針について説明しました。同校では、「個人の可能性を発見し、その能力を伸ばす」ことを最も重視しています。それについて梶原先生は、「生徒がみずからの可能性を発見するためには、自分自身を客観視できる『もう一人の自分』を育てることが大切であり、そのためには『葛藤する環境』が必要です」と述べました。

 それは「多様」で「主体的」な環境です。この二つの要素は欠かせないもので、「混ぜて・任せる」ことから生まれます。「混ぜる」は、性別・学年・地域・国などの違いを持つ生徒がいることを、「任せる」は、生徒にみずから考えさせ、判断させることを意味しています。そして、「問いを発する人」になるために、同校では相手に適切な質問を投げかけ、納得するまでやりとりができる能力の育成に努めています。

 その教育の柱は「学校」「公文式」「寮」の三つです。「学校」には制服や校則がなく、開校以来、自由な校風が受け継がれています。梶原先生は「生徒を規則で縛ることは簡単ですが、あえてそうしないのは、式典のある日にはどんな服装がふさわしいのか、なぜ授業中にゲームをしてはいけないのかなどを、生徒自身に考えてほしいからです」と話します。体育祭や表現祭(文化祭)などの学校行事は生徒主体で運営され、表現の場となっています。また、公文国際学園模擬国連(MUNK)、英語版公文国際模擬国連(MUNKI)、海外模擬国連(MUN)への参加を奨励し、英語の学習意欲を高めるとともに、ソーシャルスキルの向上にもつなげています。今年度からは中3を対象とした3か月間のターム留学も実施する予定で、現在、学年の約3割の生徒が希望しているとのことです。

 自分に適した教材を選んで自学自習するスタイルで進めていく「公文式」の学習は、もちろん同校でも行われており、週に1度の「公文式放課後教室」と、平日の授業開始前に行う「公文式朝学習」とがあります。数学・英語はiPadを使用した教材で学び、解答・採点はタッチペンで行います。

 「寮」は同校の大きな特長の一つです。生活面での「自律と自立」を促し、異なる考えを持つ他者との共同生活を通して、協調性やコミュニケーション力を育んでいます。現在は生徒1人につき1部屋を使用しており、男女寮合わせて181名の生徒が生活しているそうです。新型コロナウイルス感染症のため現在は中止されていますが、自宅からの通学生が寮生活を体験できるプログラムもあります。

 このような取り組みの成果は大学合格実績にも反映されており、2022年度の卒業生146名のうち、難関国公立大学(旧帝大・一橋大・東工大)に22名、医学部医学科に12名、早慶上理などの難関私立大学に96名がそれぞれ現役で合格しました。

 2023年度入試は、A入試(2科)が2月1日午前に、B入試(4科)が2月3日午前、帰国生入試(2科)が1月19日午前にそれぞれ実施される予定です。A入試の2科は「国語・算数」「国語・数学」「国語・英語」「数学・英語」から選択が可能です。詳細は学校ホームページをご確認ください。

イメージ写真 JR「大船」駅から直通バスで約8分。横浜市戸塚区の広大なキャンパスには、夜間照明を備えた人工芝グラウンドやビーチバレーコート、室内温水プールなどの運動施設も充実しています

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