受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

学習院女子中等科

2022年6月17日(金)

深く考え、表現する力を育み、“今”を生きる女性にふさわしい品性と知性を身につける

 1885年に華族女学校として創立されて以来、「その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につけること」という教育方針を掲げている学習院女子中・高等科。卒業生のうち6~7割は併設の学習院大学や学習院女子大学に進学しますが、他大学の理工系・医歯薬系・芸術系学部の志望者に対応する教育体制も整えており、国公立大学や早慶上智をはじめとする難関私立大学にも多くの合格者を輩出しています。

 SAPIX代々木ホールで開催された説明会の冒頭、教頭の加茂亜紀子先生は、「わたしたちは、生徒一人ひとりを『ダイヤモンドの原石』と考えています。ダイヤモンドは磨いてこそ、その真価を発揮するものです。また、ダイヤモンドはダイヤモンドでなければ磨けません。互いの個性を認め合い、切磋琢磨できる仲間と、伸び伸びと過ごす6年間の学校生活を通して人として成長し、未来を切り開く力を育んでもらうのが本校の教育です」と語りました。

 1学年は約210名で、その内訳は初等科からの内部進学者が約30%、中等科の一般入試を経て入学した生徒が約60%、帰国生入試を経た入学者は約8%です。加茂先生によると「1学年は5クラス編成で、進級時にはクラス替えを行います。学校行事や部活動で接する先輩・後輩も合わせると、とても多くの出会いがあります」とのこと。複数の教員の視点からきめの細かい対応を行えるように、クラス担任制ではなく、主管(担任)がチームを組んで学年全体を指導する「学年主管制」をとっているのも特徴です。

 学習面では「本物に触れる」「過程を大切にする」「表現力を身につける」ことを目標に、進度よりも深度を重視した「掘り下げる授業」を展開しています。多くの教科で少人数指導を実施。加茂先生は「理科の実験にとどまらず、多くの教科で観察や調べ学習など、『五感を使うプロセス』を豊富に取り入れ、ディスカッション、発表、ディベートといった活動につなげていきます。考えを発信する力を養うとともに、他者の考えを聞くことで、視野を広げてほしいと考えているからです」と述べました。

 定評のある英語教育については、すべての学年でクラスを分割しての少人数制授業を導入。テキストは中高一貫校向けの『NEW TREASURE』を使用し、ネイティブ教員による授業も設けるなど、文法学習に偏重しない「生きた英語の習得」を重視したカリキュラムを整えています。海外在留歴や英語学習歴に基づいた取り出し授業を行うほか、放課後には検定対策や留学前の英会話強化など、各自の要望に沿った個人指導も行われています。高等科では、1年から第二外国語(ドイツ語・フランス語)を用意し、自由選択授業では原書を読む「英文講読」や、世界情勢について英語で意見交換を行う「現代英語」など、興味・関心に合わせて英語力を高める自由選択授業も導入しています。イギリスのイートン校での夏期講習プログラムや、オーストラリアの姉妹校への交換留学など、海外研修制度も充実しています。

 最後に、中学入試について説明がありました。同校の入試は、「過程を重視し、表現力を身につけさせる」という教育方針に基づき、どの科目も記述式の問題が多いのが特徴です。国語の長文読解では文章の流れや構成、人物の心情の変化を読み解く力に加え、読み取った内容をまとめる力も重視されます。算数は、途中式や考え方も採点対象となるため、「図を活用して考える訓練や、作図の練習もしておくとよい」とのこと。理科は4分野から出題され、正確な記述力が求められます。社会も地理・歴史・公民の3分野から出題され、教科書に漢字で書かれている地名や人物名などの語句は漢字の正確さも求められるそうです。「すべての科目に共通で心がけてほしいのは、相手(採点者)に伝わるように自分の考えを述べることです。面接が合否に影響することはないので、緊張せずに臨んでください」とのアドバイスで締めくくりました。

イメージ写真 豊かな緑に恵まれた広大なキャンパス。約13万冊の蔵書数を誇る図書館、二つの体育館、温水プール、200mトラックを有するグラウンドなど、充実した学習環境が整っています

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