受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

光塩女子学院中等科

2022年6月29日(水)

少人数クラスと共同担任制で自己肯定感を育む「一人ひとりを大切にする教育」を実現

 聖書にある「あなたがたは世の光、地の塩である」ということばが校名の由来となっている光塩女子学院は、1931年、スペインのカトリック・メルセス宣教修道女会によって設立されました。

 今年4月に校長に就任した烏田信二先生は、冒頭の聖書のことばに込められた意味を解説しながら、中1から高3までの学年目標を紹介しました。まず、中1の学年目標は「自分との出会い」です。「聖書では『世の光であれ、地の塩であれ』とは言っていないのです。『あなた方はありのままがすばらしい』『一人ひとりがかけがえのないユニークな存在である』と説いています。中1では、まず自分の存在や個性を認めることから始めます」と烏田先生は話します。中2は「自分と他者との関わり」、中3は「社会の中での自分」、高1は「自然の中での自己発見」、高2は「社会の中での自己発見」が目標ですが、自分自身に「光」と「塩」を見つけたうえで、それらを他者・社会・自然にも見いだしていくということです。そして最高学年である高3の目標は「Women for Others(他者のために生きることを喜びとし、自分の将来を考える)」です。「苦しむ人に光を当て、争いのあるところに平和をもたらす人であってほしいのです。将来、どんな仕事に就くことになるかはわかりませんが、どのような場所でも社会に貢献できる、“光と塩”の使命を持った社会に貢献できる女性を育てていきたいと思います」と烏田先生は語りました。

 次に、広報主任の亀田朋子先生が卒業生の進路とカリキュラムについて説明しました。今春の卒業生の進学先は、東京大学をはじめとする国公立大学や難関私立大学だけではなく、医療系・芸術系・体育系など多彩です。それは、同校が一人ひとりの志望を実現するために、さまざまな工夫をしている結果でもあります。

 そのなかでも特徴的なのが、「少人数+共同担任制」です。それは、1人の教員が1クラスの担任を務めるのではなく、1学年4クラス(生徒数130人前後)を、担当教科も年齢も違う6人前後の教員がチームで担当するというシステムです。亀田先生は「生徒一人ひとりに対して複数の教員による多角的な分析が可能であり、学習はもちろん生活面においても、とてもていねいな対応ができます。また、中等科から英語・数学で習熟度別・少人数制による授業を行っています」と話しました。

 続いて、高等科での学びについて説明がありました。高等科では大学入学者選抜改革で求められる学力の3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力、人間性」を意識したカリキュラムを編成しています。中等科から引き続き行われる英単語や計算などの朝テスト、英語・数学・理科の習熟度別授業などにより基礎学力を固めたうえで、思考力や表現力を高める機会を多く提供しています。

 たとえば高2の「教養演習」では、英語・国語・倫理などの教科横断型授業を展開。1年かけて現代社会の課題を見つけ、生徒同士が協働しながら解決のための手段を模索する探究型学習に取り組みます。ジャンルは「生命倫理」「自我・時間」「社会」「ジェンダー」「日本文化」「異文化理解」と多岐にわたります。さまざまな分野で活躍する専門家の講演も行われ、進路選択における貴重な情報源にもなっているそうです。亀田先生は「共同担任制は90年前から、教科横断型、探究型学習も本校は20年前から開始していました。自己肯定感を育み、生徒一人ひとりを大切にする教育をこれからも実践してまいります」と述べ、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 2018年に、中等科の新校舎である新1号館と人工芝の校庭が完成。校内のさまざまな場所にマリア像が配置されています

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