受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

共立女子中学校

2022年6月16日(木)

周囲が行動しやすい環境をつくる「21世紀型のリーダーシップ」を発揮できる女性に

 大手出版社や古書店が立ち並ぶ千代田区一ツ橋にある共立女子の創立は1886年。女性が社会で活躍することなど考えられなかった時代に、「女性が自立し、社会人として職業に就くこと」をめざし、教育界の先覚者34人が発起人となって、「共立女子職業学校」として設立されました。

 この日あいさつに立った校長の前田好子先生は、同校の卒業生でもあります。「誰よりも共立女子を愛している」と自負する前田先生は、「わたしが思い描くビジョンは、社会に出て振り返ったときに、『あのとき、あの場所にいられてよかった』と思ってもらえるような学校です」と笑顔で話しました。1学年8クラス、約320人という首都圏有数の大規模校である同校のキャッチフレーズは、「東京一出会いの多い女子校」。前田先生は「多様性を感じながら、多くの刺激を受けられるのが最大の強みです。学校でのさまざまな活動を通じて、自分らしさを発揮しながら、周囲と協力できる姿勢を養い、『心をつくし自己を律する(誠実)、努力し何事にも意欲的に取り組む(勤勉)、他人の痛みを知り思いやりを持って周囲の人々に接する(友愛)』という校訓を実践してほしいと考えています。それは、わたしを含め、多くの卒業生が『この三つこそ、社会に出てから何よりも重要だった』と実感しているからです」と力強く語りました。

 具体的な教育内容については、広報部主任の金井圭太郎先生が担当します。6学年で約1900人という規模について、金井先生は「大所帯であることが本校の良さであり、多様性と柔軟性を兼ね備えた元気な校風の源です」と話しました。一方、専任・非常勤を含めて約170名の教員によって、生徒一人ひとりに目が届く、きめ細かい教育を実践しています。リベラルアーツ型の学びを重視している点も特徴です。授業や行事ではプレゼンテーションや発表を行う機会が多く、たとえば中学で週1コマ行われている「国語表現」という同校オリジナルの科目では、生徒全員が1台ずつ所有するタブレット端末を上手に利用しながら、論述・発表・討論などに取り組みます。その成果として、金井先生は「自分の意見を伝えることに積極的な生徒が多い」と語りました。さらに、今年度から新たに教育目標に加えられた「共立リーダーシップ」については、「目標に向かってできることは何か」とみずから考えたうえで、周囲の仲間が行動しやすい環境を整え、課題を解決する能力を指しています。「部活動や行事、委員会といった学校生活のなかで、全員がこの力を発揮する機会を得ることでしょう。そこで育んだ自己肯定感を大切にしながら、先の見えない時代にあっても、輝き、羽ばたき続ける女性に成長してもらいたいのです」と締めくくりました。

 語学力の養成とグローバル教育にも力を入れています。国際交流部主任の石田大介先生は、授業の様子を動画で紹介しながら、「文法などの基本をしっかり押さえながら、話す・書くというアウトプットの力を伸ばす発信型英語教育を以前から実践しています。特に中1・2では視聴覚教材を使用しての音声指導を行いながら、実技科目さながらの授業をめざし、ペアワークやアクティビティーを多く取り入れていきます」と説明しました。予習・復習、動画配信、課題提出と添削、発音練習など、英語科においても「ICT機器の導入で学習の幅が大いに広がった」とのことです。各学年で週1コマ設けているネイティブ教員による英会話授業では、3クラスを2分割にしての少人数制で実施。中1の6月以降は、習熟度を加味した授業も導入しています。家庭で行うオンライン英会話は中学生全員が対象で、放課後や休み時間に外国人講師と交流できるランゲージスクエアも設置して、英語でのコミュニケーション力を養成します。加えて、6か国・9都市から選べる短期の語学研修プログラムや、短期・中期の留学プログラムも充実しています。

イメージ写真 30以上のクラブがあり、加入率は中学で95%、高校で90%です。小笠原流礼法の基本を身につける「礼法」の授業、課外活動の「華道」など、気品を磨く機会もあります

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